確定申告や住宅ローン控除に伴う不動産に関する登記事項証明書の請求について、取得代行を承ります!

2月になり、確定申告の時期を迎えようとしています。
「住宅ローン減税」を受けようとする場合、初回のみ確定申告を要します。その際、「不動産の登記事項証明書」を添付することが求められます。
法務局の窓口でも請求することはできますが、羽島市からは岐阜地方法務局も決して近くありません。
インターネット上から発行申請もできますが、会員登録が必要、ネットバンクからの入金が必要など、煩雑な事務が多いことは否めません。
この登記事項証明書と取得するためだけに、お仕事を休むということも、正直、生産的とは言えないと思います。
そこで、当事務所において、「不動産登記事項証明書」の取得を代行いたします。

窓口で請求する場合は、600円/通ですが、当事務所は、インターネット上から発行請求をいたしますので、500円/通となります。

また、手続費用として、1度の請求につき、1100円(税込)といたします。

取得代行を希望される方は、不動産の情報をお手元にご用意いただき、当事務所までご連絡をお願いいたします。

災害時の二重ローン問題

 熊本、大分での地震から1ヶ月以上経過しましたが、現地では建物への被害が大きく、避難所での生活が長期化することが見込まれます。マイホームのローン返済途中で被災された方は、倒壊した住宅のローンはそのまま継続してしまい、この債務の負担が生活再建に影響を及ぼしかねません。そこで、全銀協(一般社団法人 全国銀行協会)は、「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」を定め、被災された方のための債務整理を円滑に進められるようにしています。

 司法書士は、ガイドラインが定める「登録支援専門家」には含まれないようですが、不動産登記や多くの債務整理事件を手がけてきた実績からも、十分に対応可能ではないかと個人的には思います。是非、専門職をどんどんと活用し、こういった制度の周知が徹底され、1日も早く復興の足がかりになってくれればと思います。

 こういった情報は、遠くは無いであろう南海、東南海地震が起こった際にも役立つものと思われますので、覚えておいてほしいものです。

【全銀協HP】 http://www.zenginkyo.or.jp/

司法書士 平 野  瞬

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ゴールデンウィーク期間の営業について

 ゴールデンウィーク期間中の営業について、お知らせいたします。

 どうぞよろしくお願いいたします。

  • 5/3 (火・祝) 電話対応 可
  • 5/4 (水・祝) 電話対応 可
  • 5/5 (木・祝) 電話対応 可
  • 5/6  (金)  通常営業
  • 5/7  (土)  休業
  • 5/8  (日)  休業

有責配偶者からの離婚請求~ゲスの極み乙女。から考える~

あけましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

年始早々、世間を騒がせている『ゲスの極み乙女。』と『ベッキー』の騒動。

事実関係が伝聞でしかないため、個別案件としてはコメントできかねますが、1つ知っておいて損はない関連した知識を説明したいと思います。

 

 

 

不倫をしている側の当事者から、相手方に対して、裁判上、離婚請求はできるのでしょうか?

 

これは【有責配偶者からの離婚請求】という問題です。

単純に言ってしまえば、自分勝手が通るのか??ということです。

かつて、このような離婚請求が、民法770条の「婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当するかを判断する条件が判示されたものがあります。【最大判昭62.9.2民集41.6.1423】ですね。

 

結論としては、

原則、離婚請求はできません。

例外として、次の3つの要件に該当する場合に限って、離婚請求が認められる場合があります。

 

  1. 別居が年齢及び別居期間との対比において、相当の長期間に及ぶこと
  2. 未成熟子がいないこと
  3. 離婚によって、相手方配偶者が極めて苛酷な状態に置かれないこと(苛酷条件)

 

司法書士 平野 瞬

 

契約書を作成してないけど大丈夫?(その1)

「口頭でも契約は成立するよ!」

こんな言葉は聞いたことがある方も多いと思います。

こういったことを、民法上「諾成契約(だくせいけいやく)」といいます。「承諾で成立する契約」という感じで捉えてもられば結構です。売買契約はその一例です。

では、諾成契約でない契約は何があるでしょうか?

例として、「賃貸借契約」を締結する場面をもとに考えていきます。

 

まず「諾成契約」の対義語とされる契約は「要式契約(ようしきけいやく)」です。イメージとしては口頭での契約では、成立せず、書面による契約が必要とされるものです。

具体的には「保証契約」です。

 

アパートを借りた経験のある方はわかると思いますが、契約段階で「保証人」をつけるよう求められることがあります。このとき、親族や保証会社が保証人として契約書に記名押印(署名押印)をする必要があります。この契約書への記名押印は、単なる慣習によるものではなかったということです。保証契約も契約の一種ですが、平成17年3月31日以前は売買契約と同様、諾成契約でしたが、平成17年4月1日以降は要式契約と法改正がなされました。

 

次の例として、「要物契約(ようぶつけいやく)」を挙げます。

「物が要る」と書きますので、やはり「対象となる物」が重要になってきます。例としては「賃貸借契約」が当てはまります。要物契約と諾成契約は両立します。

具体的には「賃料」「賃貸期間」「敷金」「解約事由」などを決めることは、口頭でもいいのです。復習になりますが、つまり、賃貸借契約は「諾成契約」でもあるということです。しかしこれでは終わらず、対象となる物、つまり「部屋」を引き渡す(貸し渡す)ことが、契約の成立には必要になります。

 

 以前、アパート経営をしている相談者から「賃料が払われないから、賃貸借契約を解除して、出てってもらいたい人がいる。一応、保証人もいるんだけど。」と相談を受けたことがあります。「契約書はありますか?」と尋ねると、「知人から紹介された人だから、契約書は作ってない」とおっしゃった。

 仮に訴訟になったとき、こちら側(原告)としては部屋の明け渡しを求めるのなら、「賃貸借契約の成立」「支払日の経過」「債務不履行を理由とする契約解除」を立証することになります。

また、未払い賃料の支払いを求めるなら、「賃貸借契約の成立」を立証することになります。

このとき、賃借人ではなく保証人に支払いを求めるのなら、「保証契約の成立」の立証することになります。

 

先程、契約書がなくても賃貸借契約は成立すると書きました。そのとおりです。だから契約書がなくても賃料を払って、部屋に住んでいたのです。

しかし、これを「証明しろ!」と言われた時はすんなりいきません。

契約書がなく、賃借人が借りた部屋に住所を定めていなかった(住所を別の場所に置いていた)としたらどうしましょう?

では賃借人は家賃を滞納するくらいなので、お金はもっていないでしょう。「こういうときのために保証人がいるじゃないか!!」と思ったが、契約書を作ってないということは、保証人(とされる人)とも保証契約が締結されていないということに・・・

 

やっぱり「契約書がないとだめだね!」という昔からの感覚はあながち間違ってないのです。

 

この案件は、紛争が顕在化してしまっていたため、改めて契約書をつくることは不可能なので、他の方法で契約の成立を証明していくことになりました。「直球が駄目なら、変化球で勝負!」という感じです。

 

アパート経営をしていて、管理会社も入っていないという物件は少なからずありますし、今回のケースのように契約書さえ作成していない物件もあると思います。仮に家賃の滞納がなかったとしても、滞納があるならなおさら「賃貸借契約確認書」というような表題で契約内容の書面化を図ることは、将来のリスクヘッジになります。未払い賃料請求、建物明渡の訴訟をやるとなると、かなりの費用がかかりますから。

 

司法書士は不動産登記業務を基幹業務の1つとしてきましたが、これは「予防法務」と呼べるものです。権利関係を登記に反映させることで、将来の紛争を未然に防ぐことにつながります。

誰も好き好んで、費用をかけて訴訟をしたいとは思いません。

司法書士は訴訟も扱いますが、予防法務に資する業務に従事して、「有事=訴訟」と「平時=登記」の双方を見てきたからこときたからこそ、リスクヘッジ、紛争の芽を摘むことの重要性を認識しています。

 

賃貸借契約をめぐる貸主側、借主側のどちらの相談にも応じることができますので、不安なことがありましたら、早めにご相談下さい。

次回は契約書がない他の場面をご紹介します。

司法書士 平 野  瞬

確定申告や住宅ローン控除に伴う不動産に関する登記事項証明書の請求について、取得代行を承ります!

2月になり、確定申告の時期を迎えようとしています。
「住宅ローン減税」を受けようとする場合、初回のみ確定申告を要します。その際、「不動産の登記事項証明書」を添付することが求められます。
法務局の窓口でも請求することはできますが、羽島市からは岐阜地方法務局も決して近くありません。
インターネット上から発行申請もできますが、会員登録が必要、ネットバンクからの入金が必要など、煩雑な事務が多いことは否めません。
この登記事項証明書と取得するためだけに、お仕事を休むということも、正直、生産的とは言えないと思います。
そこで、当事務所において、「不動産登記事項証明書」の取得を代行いたします。

窓口で請求する場合は、600円/通ですが、当事務所は、インターネット上から発行請求をいたしますので、500円/通となります。

また、手続費用として、1度の請求につき、1100円(税込)といたします。

取得代行を希望される方は、不動産の情報をお手元にご用意いただき、当事務所までご連絡をお願いいたします。

災害時の二重ローン問題

 熊本、大分での地震から1ヶ月以上経過しましたが、現地では建物への被害が大きく、避難所での生活が長期化することが見込まれます。マイホームのローン返済途中で被災された方は、倒壊した住宅のローンはそのまま継続してしまい、この債務の負担が生活再建に影響を及ぼしかねません。そこで、全銀協(一般社団法人 全国銀行協会)は、「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」を定め、被災された方のための債務整理を円滑に進められるようにしています。

 司法書士は、ガイドラインが定める「登録支援専門家」には含まれないようですが、不動産登記や多くの債務整理事件を手がけてきた実績からも、十分に対応可能ではないかと個人的には思います。是非、専門職をどんどんと活用し、こういった制度の周知が徹底され、1日も早く復興の足がかりになってくれればと思います。

 こういった情報は、遠くは無いであろう南海、東南海地震が起こった際にも役立つものと思われますので、覚えておいてほしいものです。

【全銀協HP】 http://www.zenginkyo.or.jp/

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ゴールデンウィーク期間の営業について

 ゴールデンウィーク期間中の営業について、お知らせいたします。

 どうぞよろしくお願いいたします。

  • 5/3 (火・祝) 電話対応 可
  • 5/4 (水・祝) 電話対応 可
  • 5/5 (木・祝) 電話対応 可
  • 5/6  (金)  通常営業
  • 5/7  (土)  休業
  • 5/8  (日)  休業

有責配偶者からの離婚請求~ゲスの極み乙女。から考える~

あけましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

年始早々、世間を騒がせている『ゲスの極み乙女。』と『ベッキー』の騒動。

事実関係が伝聞でしかないため、個別案件としてはコメントできかねますが、1つ知っておいて損はない関連した知識を説明したいと思います。

 

 

 

不倫をしている側の当事者から、相手方に対して、裁判上、離婚請求はできるのでしょうか?

 

これは【有責配偶者からの離婚請求】という問題です。

単純に言ってしまえば、自分勝手が通るのか??ということです。

かつて、このような離婚請求が、民法770条の「婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当するかを判断する条件が判示されたものがあります。【最大判昭62.9.2民集41.6.1423】ですね。

 

結論としては、

原則、離婚請求はできません。

例外として、次の3つの要件に該当する場合に限って、離婚請求が認められる場合があります。

 

  1. 別居が年齢及び別居期間との対比において、相当の長期間に及ぶこと
  2. 未成熟子がいないこと
  3. 離婚によって、相手方配偶者が極めて苛酷な状態に置かれないこと(苛酷条件)

 

司法書士 平野 瞬

 

契約書を作成してないけど大丈夫?(その1)

「口頭でも契約は成立するよ!」

こんな言葉は聞いたことがある方も多いと思います。

こういったことを、民法上「諾成契約(だくせいけいやく)」といいます。「承諾で成立する契約」という感じで捉えてもられば結構です。売買契約はその一例です。

では、諾成契約でない契約は何があるでしょうか?

例として、「賃貸借契約」を締結する場面をもとに考えていきます。

 

まず「諾成契約」の対義語とされる契約は「要式契約(ようしきけいやく)」です。イメージとしては口頭での契約では、成立せず、書面による契約が必要とされるものです。

具体的には「保証契約」です。

 

アパートを借りた経験のある方はわかると思いますが、契約段階で「保証人」をつけるよう求められることがあります。このとき、親族や保証会社が保証人として契約書に記名押印(署名押印)をする必要があります。この契約書への記名押印は、単なる慣習によるものではなかったということです。保証契約も契約の一種ですが、平成17年3月31日以前は売買契約と同様、諾成契約でしたが、平成17年4月1日以降は要式契約と法改正がなされました。

 

次の例として、「要物契約(ようぶつけいやく)」を挙げます。

「物が要る」と書きますので、やはり「対象となる物」が重要になってきます。例としては「賃貸借契約」が当てはまります。要物契約と諾成契約は両立します。

具体的には「賃料」「賃貸期間」「敷金」「解約事由」などを決めることは、口頭でもいいのです。復習になりますが、つまり、賃貸借契約は「諾成契約」でもあるということです。しかしこれでは終わらず、対象となる物、つまり「部屋」を引き渡す(貸し渡す)ことが、契約の成立には必要になります。

 

 以前、アパート経営をしている相談者から「賃料が払われないから、賃貸借契約を解除して、出てってもらいたい人がいる。一応、保証人もいるんだけど。」と相談を受けたことがあります。「契約書はありますか?」と尋ねると、「知人から紹介された人だから、契約書は作ってない」とおっしゃった。

 仮に訴訟になったとき、こちら側(原告)としては部屋の明け渡しを求めるのなら、「賃貸借契約の成立」「支払日の経過」「債務不履行を理由とする契約解除」を立証することになります。

また、未払い賃料の支払いを求めるなら、「賃貸借契約の成立」を立証することになります。

このとき、賃借人ではなく保証人に支払いを求めるのなら、「保証契約の成立」の立証することになります。

 

先程、契約書がなくても賃貸借契約は成立すると書きました。そのとおりです。だから契約書がなくても賃料を払って、部屋に住んでいたのです。

しかし、これを「証明しろ!」と言われた時はすんなりいきません。

契約書がなく、賃借人が借りた部屋に住所を定めていなかった(住所を別の場所に置いていた)としたらどうしましょう?

では賃借人は家賃を滞納するくらいなので、お金はもっていないでしょう。「こういうときのために保証人がいるじゃないか!!」と思ったが、契約書を作ってないということは、保証人(とされる人)とも保証契約が締結されていないということに・・・

 

やっぱり「契約書がないとだめだね!」という昔からの感覚はあながち間違ってないのです。

 

この案件は、紛争が顕在化してしまっていたため、改めて契約書をつくることは不可能なので、他の方法で契約の成立を証明していくことになりました。「直球が駄目なら、変化球で勝負!」という感じです。

 

アパート経営をしていて、管理会社も入っていないという物件は少なからずありますし、今回のケースのように契約書さえ作成していない物件もあると思います。仮に家賃の滞納がなかったとしても、滞納があるならなおさら「賃貸借契約確認書」というような表題で契約内容の書面化を図ることは、将来のリスクヘッジになります。未払い賃料請求、建物明渡の訴訟をやるとなると、かなりの費用がかかりますから。

 

司法書士は不動産登記業務を基幹業務の1つとしてきましたが、これは「予防法務」と呼べるものです。権利関係を登記に反映させることで、将来の紛争を未然に防ぐことにつながります。

誰も好き好んで、費用をかけて訴訟をしたいとは思いません。

司法書士は訴訟も扱いますが、予防法務に資する業務に従事して、「有事=訴訟」と「平時=登記」の双方を見てきたからこときたからこそ、リスクヘッジ、紛争の芽を摘むことの重要性を認識しています。

 

賃貸借契約をめぐる貸主側、借主側のどちらの相談にも応じることができますので、不安なことがありましたら、早めにご相談下さい。

次回は契約書がない他の場面をご紹介します。

司法書士 平 野  瞬

専門職後見人に監督人が就く意味とは

先日

【成年後見:着服事件相次ぐ 弁護士にも監督人】

という記事が掲載されていました。

成年後見等事件では、成年後見人等(保佐人、補助人を含みます)には、大きな代理権が付与される(保佐人・補助人は代理権目録の範囲内)ため、親族後見人、第三者後見人を問わず、横領する事件が多く報告されるようになりました。


専門職後見人とは、家庭裁判所から一定の研修等を受講し、倫理規範の習得をしたとして、所属団体より推薦を受けて後見人に就任する後見人をいいます。

岐阜県の司法書士の例でいえば、司法書士有志で構成されている、「公益社団法人 成年後見センター・リーがルサポート」(以下、「LS」といいます。)の岐阜県支部に入会し、一定の研修を受け、家庭裁判所に提出する後見人名簿・監督人名簿に登載される必要があります。この名簿に登載された司法書士のみが、家庭裁判所から後見人等に選任されることになります。

実際は、家裁の調査官が事件概要を把握したうえで、どの専門職が相応しいかを検討し、家裁から専門職団体へ推薦依頼がきます。これに対して、専門職団体が候補者を出すという流れになっています。

 

専門職として家裁から推薦依頼がくるということは、当然、成年後見事件への関与の実績があり、公正な後見事務を遂行できると家裁が判断したからといえます。平たく表現すれば、「家裁からの信用がある」ということです。

しかし、前記のとおり、横領事件が起こっており、非常に後見制度自体への信用問題にもなっています。

専門職であれば、当然に高い倫理観が必要であり、通常より高度な責任も背負うことになります。家裁からの信用、社会からの信用にも当然、応えていく必要があると思います。

 

記事の中に「弁護士が信用されていない」とのコメントがあります。確かに、実際に真面目に後見業務に取り組む者からしたら、最初はそう感じるのかもしれません。しかし、現状、信用されなくなっている結果がこういった東京家裁の取り組みです。愚痴ともとれるコメントの前に、専門職の置かれている状況を把握しなければならないと思います。コメントには慢心が現れているとしか思えません。

ベテランも中堅も新人も、後見制度においては何ら関係ありません。

正確な法律知識、実務知識、経験、意欲、高度な倫理観、こういったものを備えた人間のみが後見制度に関与すべきです。「資格のネームバリュー」のみで関与できると考えるのであれば、それこそ大きな勘違いであり、慢心そのものです。

本来、後見人、家裁が目を向けなければならないのは、本人である被後見人等の利益のはずです。後見人の不正に対して、不要な時間を割くのはあるべき姿ではありません。

 

専門職後見人に監督人をつけるのであれば、同じ資格の専門職ではなく、利害関係のない他の専門職から選任をすることで実効性が出てくるのではないかと考えます。よって、監督人としての実務にも積極的に関与していく姿勢や取り組みも必要になってくると思います。

(記事:毎日新聞 http://mainichi.jp/select/news/20150723k0000m040161000c.html

司法書士 平 野  瞬


子供の貧困と離婚・養育費問題

 6月19日(水)に、『離婚に関する実務と養育費制度』と題した研修に参加をしてきました。「離婚」「養育費」をめぐる案件は、一般に【家事事件】と呼ばれ、家庭裁判所を舞台に手続がなれれることがあります。司法書士がこうした「家事事件」に関与できることはご存知でしょうか?

 司法書士法には次のような条文があります。

 

(業務)
第三条  司法書士は、この法律の定めるところにより、他人の依頼を受けて、次に掲げる事務を行うことを業とする。
(中略)
 裁判所・・・に提出し若しくは提供する書類若しくは電磁的記録を作成すること。
 前各号の事務について相談に応ずること。

この4号、5号を根拠に司法書士は離婚や養育費に関する相談を受け、業務をおこなっています。
しかし、今回の講師はこういった案件を多く手がけてきた理由は、この司法書士法の業務をおこなう根拠ではありませんでした。
ある調査によると、『夫婦問題を抱えている、抱えたことがある』と答えた人の割合が23.6%と約4人の1人という結果があるそうです。つまり、市民の悩みやトラブルとして家庭内の問題が存在しているという現実。
また、日常生活における「家庭・金銭・労働」は密接に関連しており、離婚という悩みは、これら全てに大きな影響を及ぼすことになるとのことでした。

さらに近年「子供の貧困」という問題が深刻化していると厚生労働省の調査では、子供の貧困率が16.3%、約6人に1人という結果も出ています。
子供のいる現役世帯のうち大人一人世帯の貧困率は、なんと54.6%と2世帯に1世帯割合でした。
こうしたデータから、「子供の育つ環境を作る必要性」を実感し、本来は大人の問題である離婚や養育費の問題で、子供を貧困にしないために、法律面からサポートしたいという動機が原動力になっているそうです。

「養育費」は親が受け取るものではなく、子供の権利であること。
「面会交流」についても、子供が親と会う権利であること。
つまり、「養育費を払わない人とは面会交流させない!」というのは、通用しないということです。

まずは調停となるわけですが、調停は【本人出頭の原則】があるため、代理人弁護士がついても裁判所には本人が出頭する必要があります。
裁判官や調停委員は代理人弁護士の言葉を待っているのではなく、当事者である本人の本心を聞きたいという思いがあるそうです。
だからこそ、司法書士は面談の際に丁寧に聞き取りをし、本人の本心を汲み取り、本人が現場で自分の口ではうまく表現しきれない部分を、さまざまな提出書類をもってサポートしていくことができる法律職能である。
代理人でない司法書士だかららこそ、できるサポート、支援がある!
改めて司法書士制度の存在意義を考えるきっかけになった研修でした。
夫婦間の問題という視点ではなく、子供の問題として、離婚や養育費の問題に取り組んでいきたいと思います。

司法書士 平 野  瞬

首長申立による成年後見開始の審判

朝日新聞デジタルで下記の記事が掲載されていました。

私も成年後見業務に従事し、平成27年4月現在で、実際に3名の方の成年後見人、2名の方の任意後見監督人に就任しています。

家庭裁判所からリーガルサポートへ後見人等の推薦依頼がきますが、多くは一次的に申立権者である親族による申立案件です。

民法には成年後見開始の審判の申立権者を次のように規定しています。

「・・・家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族・・・の請求により、後見開始の審判をすることができる。」


しかし中には、配偶者や子供、申立てをお願いできる四親等内の親族がいない場合もあり、そういった場合は市町村長による申立てがなされることがあります。

この市町村長による申立ては民法上の制度ではなく、「老人福祉法」、「知的障害者福祉法」、「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」に根拠があります。

実際に私が最初に就任した成年後見の案件は、市長申立てによる案件でした。

本人(=支援を必要としている成年被後見人)は未婚で、四親等内の親族はいましたが、以前から全く交流がなく、申立てに協力できないとのことで、やむを得ず市長申立ての方法をとったそうです。


どうしても法律の規定により、親族ではない親身になってくれている隣近所の方が申立てを行うことができません。

お近くに支援を必要としている方がお見えになったら、司法書士などの専門家にご相談ください。

ご相談をいただければ、こちらから市町村の担当課へ働きかけをして、後見制度の利用が可能になる場合もあります。


当事務所では成年後見制度、任意後見制度のご相談を承っています。お気軽にお声掛けください。


司法書士 平 野  瞬


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成年被後見人による自動車運転と道路交通法

新年あけましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

本年の第1号です。

【<首都高>認知症の83歳男性逆走、衝突死亡】


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150107-00000024-mai-soci

 家族が目を離した隙に認知症だった成年被後見人が自宅を出て徘徊し、その後、電車と衝突し、後見人であった配偶者の監督責任が問われ、多額の賠償金の支払いが命ぜられた判決が記憶に新しいですが、被後見人の方が車を運転して事故を起こした場合も、同様の判決が出ることも十分に考えられます。

 

 成年被後見人・被保佐人・被補助人の方が全員、認知症とは限りませんが、判断能力が減退していることは事実です。

 

 また、道路交通法の規定は、後見制度の利用の有無も関係ありません。

 

 後見制度は被後見人の行動を制限することを目的にはしていませんし、残存能力の活用はすべきとしていますが、やはりそれも他の利益との兼ね合いもあります。

 

 現在、運転免許の自主返納制度もありますし、車自体を処分する必要も出てくるのかもしれません。


 たらればの話にはなりますが、今回の件では本当なら失われなくてもよかった命が失われたのかもしれません。


 つまり、成年後見人や認知症の方を見守る家族の判断はそれだけ大きな責任を伴うものなのだと思いました。


 後見業務に携わる者として、もう一度考える機会を頂きました。


 ご家族に認知症の方がいらっしゃる場合は、ご注意いただきたいと思います。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

道路交通法103条(免許の取消し、停止等)   【抜粋】

 免許・・・を受けた者が次の各号のいずれかに該当することとなつたときは、・・・公安委員会は、政令で定める基準に従い、その者の免許を取り消し、又は六月を超えない範囲内で期間を定めて免許の効力を停止することができる。

一    (省略)

一の二  認知症であることが判明したとき。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

休眠会社・休眠一般法人の整理作業

 法務局では,平成26年度に,休眠会社・休眠一般法人の整理作業を行うと既に発表がされております。 


【休眠会社・休眠一般法人とは?】
(1) 最後の登記から12年を経過している株式会社(会社法第472条の休眠会社。特例有限会社は含まれません。)
(2) 最後の登記から5年を経過している一般社団法人又は一般財団法人(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第149条又は第203条の休眠一般社団法人又は休眠一般財団法人で,公益社団法人又は公益財団法人を含みます。併せて「休眠一般法人」といいます。)
をいいます。 


 平成26年11月17日(月)付けで,官報公告が行われ、対象となる休眠会社・休眠一般法人に対しては,管轄の登記所から,法務大臣による公告が行われた旨の通知を発送されました。


 次のような通知書がお手許に届いた会社様、法人様は直ちに手続をとる必要があります。

 またこの「届出書」を出したからといって、登記が免除されるわけではありません。法務局によっては、届出書の提出に併せて必要な登記申請をするように指示したとの話も聞こえています。

 さらに、登記が必要なのに申請をしていない(登記懈怠)の状態を理由に裁判所から科料がくることも免除されるわけではありません。

 こういった通知書が届いた場合は、当事務所までご連絡をいただければ、早急に対応をさせていただきます。

 お気軽にご連絡ください。
 

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夏期休暇のお知らせ

いつもお世話になっております。

夏期休暇といたしまして、8月13日(水)~8月17日(日)の間を休業させていただきます。

皆様にはご迷惑をおかけいたしますが、どうぞよろしくお願いいたします。

ゴールデンウィーク期間の営業について

 ゴールデンウィーク期間中の営業日につきましては、

 

土日祝日を除く平日は、通常通り営業いたします。

 

お気軽にご相談ください。よろしくお願いいたします。

成年後見人と身元保証

 認知症などになり判断能力が衰えた方(以下、「本人」といいます。)の財産管理、身上監護をする立場の人を成年後見人といいます。

 この成年後見人は家庭裁判所から選任され、家庭裁判所の監督の下、後見事務を行います。

 私も現在、第三者後見人として、後見事務をしております。(対の言葉として「親族後見人」があります。)

 後見制度を利用しなければならなくなったけど、法律で定められた申立権者からの申立てがなされず、本人の不利益が及ぶおそれのある場合は、『市長申立』という行政が最後の砦として申立をしてくれます。

 この市長申立を利用した場合、頼れる親族がいないことが多いと思われます。

 本人の状態の変化によって、特別養護老人ホームに入所が必要になった場合、施設側は「身元保証人」を入所の条件にあげてきます。親族後見人など頼れる方がいる場合はいいのですが、「市長申立」の案件の場合は身元保証人になってくれる方を見つけるのは容易ではありません。

 身元保証とは、「施設利用費などの支払いで本人の資力が不足した場合は、その不足分を保証人が支払う」こと、「お亡くなりになった際は、保証人がご遺体を引き取る」ことなどを意味します。

 いずれも成年後見人の権限外の事務なのです。しかし市長申立による本人は頼れるのは私たち成年後見人以外にはいません。

 法律と現実の境で悩ましい問題だと思います。

 後見人の権限、義務とするのは、後見人にとって酷だし、だからといって資力の乏しい方は後見制度を利用できないとするのは、法律、制度の趣旨に反します。

 いろいろな立場の意見があるとは思いますが、成年後見人として事務に携わることでこうした問題点を肌で感じることができたことはよかったと思います。核家族化、少子高齢化がますます進む日本において、この身元保証問題は放置をすれば深刻化する一方です。1人の司法書士として、(公社)成年後見センター・ーガルサポートの会員としてしっかりと考えていかなければならない問題です。

 

2月は『相続登記はお済みですか月間』です!

2月1日の中日新聞朝刊にも掲載されましたが、岐阜県司法書士会では2月を

 

【相続登記はお済みですか月間】

 

と定め、県内各司法書士事務所において相続に関する無料相談会を実施します。

 

 司法書士ひらの法務事務所におきましても、ご家族が亡くなった(=相続が発生した)けども、土地建物の相続登記やその他相続手続がまだお済みでない方、相続に関するお悩みを抱えた方を対象に、無料相談を承ります。

 相続登記に限らず、遺言作成、相続放棄、遺産分割調停、遺留分減殺など、相続全般を対象としておりますので、まずはご相談下さい。

 

 相続登記をするには、一定の知識と時間が必要で、煩雑な手続が伴います。『自分では難しいな・・・』と思われた方は、お気軽にご相談下さい。

 

期 間 : 2月1日(土)~2月28日(金) (土日祝日のご相談も承ります。)

時 間 : 午前9時00分~午後8時00分

場 所 : 司法書士ひらの法務事務所 (ご来所が難しい方には出張も承ります。)

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 ※外出などで事務所に不在の場合がございますので、ご来所される前に希望時間のご連絡をお願いします。

☎ 050-5862-0668

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 司法書士という士業や仕事の内容など、少しでも地域のみなさんに知ってもらうことが、みなさんの司法書士の利用のしやすさに繋がると考えたからです。

 

 司法書士になる前のことですが、私自身、『あの時、この法律を知っていれば、別の解決策があっただろうな・・・』と思った経験があります。

 私が司法書士として、依頼者の方と交流させていただくことで、『法律を知らないことで不利益を被る人を少しでも減らすことができれば!』と思っています。

 

 みなさんの司法書士や法律に対する、敷居が高いという先入観を払拭し、身近な相談相手と思っていただく1つのツールとして情報発信に利用していきたいと思います。